3/25、手紙観劇してきました。
とってもいい舞台でした。
こちらは「ミュージカル手紙」全体の感想を。
侍に特化した記事はまた別に書こうと思います。
とっても印象的だったのが、始まり方。
開始直前に「今のお時間以降、携帯電話はしまってください」ってアナウンスがあって、おぉ徹底してるなぁ~と思いながら素直に従って待ってたら、1幕、2幕ともに客席が明るいうちにキャストが舞台上に出てきてから、音楽の鳴りと同時に客席が暗くなって始まった。
最初はこういうパターン初めてだったからびっくりしたんだけど、きっとこのストーリーが物語の中だけの出来事じゃなくて、いつなんのはずみで私たちが当事者になるかわからないっていう、日常の延長だってことを表現してのことなんだろうな、と。
全体的に思ってたより音楽が鳴っている時間が長かった。
もちろん時と場合によるけど、基本的にセリフよりも歌で表現する方が時間をとられると思うので、あれだけ音楽鳴らして、歌って、よくあの何年にも渡る物語をつめこんだな、と。脚本の勝利。
原作と設定が変わってたところも結構あった。
直貴と祐輔が高校からの友達だったり、由実子からの手紙を社長が直貴に見せたりとかね(見せるんかーーーい!って思わず心の中でつっこんだけど笑、見せ場として曲がついてとてもいいシーンでした)。
特に朝美関連のストーリーはすごく簡略化かつ効率化されてたイメージ。
スペシウムの前に歌ってたのが最初朝美だと思わなくて、途中からん?朝美なのか?って気付いた感じだったから、あの朝美の歌をちゃんと朝美の歌だと思って初めから聴きたかった~!
舞台の場面転換を四角い箱(貧相な表現力笑)でいろいろ表現してて、その巧みさに感心しっぱなしでした。
私はミュージカル経験がドリボしかないので、一般的な(?)ミュージカルがどんなもんなのか知らないんだけど、ドリボは基本的にはソロ歌唱、役同士の掛け合いとかはあっても、コーラスはあんまりなかった印象なんだよね。
それが手紙は生演奏で、コーラスもキャストがしっかり重ねてた。
生演奏であれだけコーラス重ねられると、やっぱ迫力出るよね。
コーラスを歌うキャストを舞台上に存在させる装置(?)として、殺人犯の弟である直貴を見つめる目として四角い箱が使われたと思ったら、前に並べて牢屋を表現したり。
あれ、セリフはないけどずっと役として存在しなきゃいけないから大変だよね。でもだからこそ見られる表情とかがあったし、今ストーリーのメインになってる人の人生と同時進行で他の人の人生も進行してるって感じがしてよかったです。
三浦透子さんがとにかく天使だった……圧巻。
本当に綺麗な歌声で、透き通ったあの歌声で恋心を歌われて一発で落ちた。天使だった。役柄ももちろんあるんだけど、めちゃくちゃ救いだった。
いやー、歌が上手い人って世の中には意外とたくさんいるけど、こういう人がプロになるんだなぁって。上手いだけじゃないんだよね、ああいう人は。
由実子はソロが多かったけど、ぐわっと会場の空気を掴む感じがあったなぁ。
spiさんも最後、祐輔と直樹の慰問ライブの時、尋常じゃなかったよ。
小説ではあのシーン、あんなに詳しくは語られない。
剛志に関しては
「胸の前で合掌していたのだ。詫びるように。そして祈るように。さらに彼の細かく震えている気配まで直貴には伝わってきたのだ」
しか触れられない。
座って合掌してるspiさん見て、すごく語弊はあると思うんだけど「わぁ、修行僧みたい…」って思ったんだよね。
全身全霊で祈っているようにも見えたし、とてつもなく深い後悔を懺悔しているようにも見えたし、もう完全に浮世離れしちゃってた。
なんて表情するんだこの人は!!!!!ってデカい声で叫んでた。心の中で笑。
だからカテコでspiさんが溢れんばかりの笑顔で挨拶してた時、その笑顔見て号泣笑。ボロボロ泣きながら拍手してた。
あ、そうなんです。そういう表情が肉眼で見られるくらい良席で。
しかも下手立ち位置の目の前の席だったので、れあたいこんぴ含めほぼすべてのキャストさんが目の前に立つという、とんでもないことになってました。
あまりに近すぎて、確か侍の中ではこんぴーだったかな、1番最初に下手に立ったの。「あ…近すぎ無理!!!」ってちょっと後ずさったもんね。笑
犯人である剛志、その弟である直貴、被害者の息子である忠夫の慟哭に近いような3人の歌は圧巻だったなぁ。
犯罪から生まれるものは何もなくて、失うものばかりで、みんながみんな、拭い去れない忘れられない悲しみにくれている。何年もの間ずっと。
法律で決まっているから、犯罪だからじゃなくて、これだけ多くの人を巻き込んで悲しませるから犯罪ってしちゃいけないんだなと思いました(急に小学生みたいな感想笑)
なんかこう、ぐわぁぁぁぁっとこみあげてきて泣くっていうよりは、気付いたら泣いてるみたいな感覚だったな。
テンポは速い方だったと思うんだよな。内容が濃いので。
でもきちんと涙を引き出して1つ1つ去っていくみたいな感覚でした、私の中では。
スイッチは完全に前山(ひったくり犯)の母だった。
あのやりとりが私の席の目の前で行われてたのもあると思うんだけど、五十嵐可絵さんの震えるような手の動きとか、「小さくなっている」って表現するのがぴったりの背中の丸め方とか肩の上がり方とか、なんかもうとにかくいたたまれなくて。
あのあたりから私の涙腺ゆっるゆるでしたね!!!
んー、あとなんだろう。
あとからあとからどんどん思い出しそうなんだけど、早めに形にしないと忘れちゃうので、とりあえずこのへんで終わりにしようかな。
キャストのみなさんめちゃくちゃ歌が上手くて、声量もすごくて、素晴らしかったです。
私は7 MEN 侍のファンなので7 MEN 侍がきっかけだったけど、素晴らしい舞台、素晴らしいキャストさんの演技と歌に触れられて、本当によかった。
ストーリーとしては重いけど、一流のものに触れるとなんだかとても贅沢な気持ちになるもんです。贅沢な気持ちで帰路につきました。
私実はこの日誕生日だったんです。
誕生日公演がある!って自分の誕生日に申し込んだら運よくチケット当たって。
自分へのこれ以上ないほどの最高のご褒美になりました。また素晴らしい舞台に触れられるように、日常を頑張ります。
観劇して気が動転してたのか、帰り乗る電車間違えました笑。大事になる前に途中で気付いてよかった笑。
それくらい意識を持ってかれるほど、素晴らしい舞台でした。
キャストの皆様に、改めて盛大な拍手を送らせていただきます!!!